第2回 乳がん検診はどう受けるか?受診の大切さ

第2回 乳がん検診はどう受けるか?受診の大切さ

資料提供:川崎南部病院健康管理センター所長 院長 仲 眞美子

20131104_文頭ピンク乳がんの早期発見のためには、自己検診が大切

20131015_第二回乳がん1今回の東日本震災で福島原発の事故が有りました。この時、放射能の被爆で発がんのリスクが心配されて居ります。医療の分野でも検査、治療、職業上被爆の問題が取り上げられています。この事については発がんリスクの研究をして来た国立がんセンターのホームページを参照してください。http://www.ncc.go.jp/jp/

 

20131015_第二回乳がん2

さて、前回に引き続き、今回の話題は「乳がん」です。乳がんには、胃がん、子宮頚がんの様な予防的治療もなく、前立腺がんの様な優秀な腫瘍マーカーはありません。では、どうするのか?早期発見しかありません。

 

 

20131015_第二回乳がん3まず大切なのは、自己検診です。視触診は他人の医師が実施しても診断率は低くなりますが、自己検診は、異和感、腫瘤の増大感は1カ月ごとに(毎月生理後)確認すると、早期に発見できます。
医療施設で受ける検査としてはマンモグラフィー、乳腺超音波検査(エコー)になります。それぞれ、長所と短所があります。

20131104_文頭ピンク  検査について

20131015_第二回乳がん4マンモグラフィーは放射線(低線量で、胸部のレントゲン写真より少ない)を使い、生理が有る間の女性では乳腺が曇って判定しにくく、技師も判定医にも専門のトレーニングが必要です。検査時間が一定のため時間当たり多くの検査が実施出来ます。乳腺が大きい欧米人は検査範囲が広く、疼痛も少ないです。

 

20131015_第二回乳がん5乳腺エコーは検査に被爆のリスクはなく何回も検査できます。腫瘤の陰影内部の状況が判断できます。検査時間は受診者の乳腺チェックの数が多い人ほど検査時間が多く必要で一定時間当たりの検査数が少なくなります。また検査技師のトレーニングが必要となります。

 

 

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一般的には若い女性は乳腺エコーが主体となります。しかしイーク丸の内では開業1年半の間、全員にマンモグラフィーと乳腺エコーを行い、針生検、マンモトームを実施し226名に「乳がん」の病理組織診断をして居ます。マンモグラフィーにのみ所見が認められエコーに所見が認められなかったのは4名で、222名はエコーに所見を認めています。

 

20131015_第二回乳がん7この結果からマンモグラフィーのみの検診を若い女性に反復検査するのは問題ですが、完璧を期するには両方の検査が必要で、被爆のリスクと、がんの早期発見の必要性をご自分で判断選択していただく事が必要です。

 

資料提供:川崎南部病院健康管理センター所長 院長 仲 眞美子

医学博士 仲 眞美子(なかまみこ)プロフィール

20130521_earthmeal_dr.naka昭和50年 東京医科大学医学部卒業。 東京医科大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、社会保険蒲田総合病院内科医長、(社)伊勢崎佐波医師会病院成人病検診センター長などを務め、平成18年度よりイーク丸の内で院長として勤務。
日本リンパ網内系学会評議員、日本総合健診学会評議員、日本内科学会、日本人間ドック学会、日本産業衛生学会の各学会に所属。NPO法人「地球は食卓」理事。
著書に『からだの百科』『医療薬学』『ヘルスチェックアップ』『これからの健康づくり−基礎から実践までのガイドブック』 がある。

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